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砂の器を見た口コミレビュー

砂の器は、社会派推理小説作家の第一人者であった、松本清張の同名小説を映画化したものです。

 

氏の小説はこれまでにいくつも映画化されていますが、映画を見終わった後の氏の感想はどれもイマイチだったそうです。ところが、この作品を見終わるなり氏は、「小説を超えた」とうなったそうです。

 

松本清張をして、小説を超えたと言わしめたこの作品は、同名タイトルの小説をモチーフにしながらも、小説とは違う物語に仕立てたから、小説を超えたのではないかと理解しています。

 

私個人は、小説を何度か読み返してから、この作品を見たのですが、大筋では小説のかなりの部分がリフレインされながらも、映画はそれを利用しながら異なるテーマを訴えているように思いました。

 

その意味では、小説を超えたというより、小説とは違う映画が出来た、と考えた方がより正確かもしれません。

 

映画のテーマは「宿命」です。

 

主人公はどんな人物?

 

宿命に人生を翻弄された天才が主人公です。

 

主人公は、当時としては不治の病を患った父親と村を出て、お遍路のような格好をして旅に出ます。

 

しかし、現実には行く先々で偏見から忌避され、ついには乞食の親子のような格好で辿り着いた奥出雲の亀嵩で、親切な巡査にめぐり合います。

 

巡査は父親を施設に入れると同時に、引き取り手のない子供つまり主人公を養子として家に住ませるのですが、主人公はすぐ巡査の家を飛び出して音信不通となります。

 

その後は、大阪に出て自転車店の丁稚となるのですが、空襲で店も住まいも焼け店主夫婦も亡くなります。一人生き残った主人公は、本籍を保管していた区役所も焼けたため、本籍復活という手続きで、丁稚先の自転車店の子どもに成りすまします。

 

それからは過去の忌まわしい経歴を隠して、才能に恵まれた天才作曲家として楽界で鮮烈なデビューを果たし、世俗的にも大臣令嬢との婚約を決め、前途洋洋たる華々しい人生を歩み始めます。

 

しかし、その途上で突如目の前に、過去を知る人物が出現したため動揺して、殺人を犯してしまうのです。

 

すなわち、奥出雲の亀嵩で自分達親子を保護してくれた巡査が、たまたま目にした大臣一家の写真の中に写る天才作曲家の姿に、子供の頃の主人公の面影を見出し、上京して面会を求めてきたわけです。

 

もとより哀れな乞食の親子を保護して、子どもを自ら引き取るような人物ですから、おいそれと天才作曲家の過去を暴露するような浅薄な人間ではありません。

 

しかし、元巡査は、施設に入れられた父親との面会を渋る作曲家に、「どうして会えないのか?」「あれだけの思いをしてきた親と子だよ、秀夫(主人公の過去の本名)」「ワシには分からん」「秀夫!今すぐ来い、首に縄をつけてでも引っ張っていくから」といって譲りません。

 

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どれも無料お試し期間があるから便利ですよね。極端に言えば、無料期間だけ楽しんで解約してもいいのですから。

 

小説との違いは?

 

小説では離れ離れになった後はすぐ死んだことになっている父親が、映画では施設で余命いくばくもない老人として生きていました。

 

この老人と元巡査の文通は終生続いており、その文面は老人が尋ねる「秀夫は今どうしているのか?」に終始していました。

 

元巡査は決まって「あなたの息子は頭のいい、見所のある子だから、きっとどこかで立派に成長しているだろう、生きているうちに必ず必ず会いにくるに相違ない」といって慰めていたのです。

 

息子に一目でもいいから会いたかった父親、息子を父親に会わせたかった元巡査、父親に会いたくても会えば全てを失う息子・・・・・・

 

「人はひとりでは生きられない。ひとりで生まれることも出来ない。人間と人間の関係は所詮、宿命なのだ」、映画のエンディングで流れるテロップに深い感動を覚えました。